―人と地球と未来を繋ぐネットワーク―
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真紀さんの叫び
ケニヤの飛行場は相変わらず薄暗い、そしてアフリカ人の体臭がしみこんでいる。
2007年7月に娘に誘われて2人でやってきたケニヤ、その時は緊張と物珍しさで初めから終わりまでびっくり仰天の毎日だった。
勿論体臭の強さに驚いた、あれが腋臭なのだ、実に見事に熟成しきった勲章物だ。
2度目の旅は3ヶ月後の10月だった。
なぜユーターンしたように戻ってきたのか?
私の血が呼び戻したとしか言いようが無い。
野生的な感覚ではあるが、確証的な理由も見つからないのだからこれ以外にはない。
見かけは結構エレガントでトレンディーなのだが、見かけと中身の食い違いが甚だ激しい、まるで中身はたくましい竹を割ったような性格なのだ。
良く言えば侍がそれに匹敵するであろう。
「私の夫はマサイ戦士」の著者である松永真紀さんのスタディーツアーに参加しケニアを自分の五感で感じる事が私には必要であると強く悟ったのは、実は彼女の書籍だ。
堂々と生きている彼女、正義感みなぎり、かけ離れたマサイの文化とケニアの文化と理解を超えた位置で受け止めている。
まさに大和魂を今時感じた。
この書籍を読んで真紀さん以外にケニアについて心底語ってくれる人間はいないと確認した。
幸いこのツアーは参加者が少なく私と臼井さんという看護師さんの2人だけだった。だから2人で真紀さんを独り占めできたのである。
臼井さんより1日遅れでケニヤに到着、2007年10月6日、飛行場には真紀さんが私を迎えに来ているので安心。
さっさとスーツケースを見つけ、お出迎えでごった返す人ごみの前に立った。
真紀さん私を早く見つけて!!皆が私を見てる、日本のチョン髷姿の侍をものめずらしく見物しているかのようである。
すごいまたまた黒人だらけ。この迫力は2度目のケニアにもかかわらず新鮮に感じた。
それにしても私の真紀さん何処?日本人らしい女性が遠くに見えるのだけど、バンダナをしている姿は表紙の写真と同じである。
きっと真紀さん、間違いなく真紀さんだ。
しかしなぜ私に気が付かないのだろう、近くまで行ってみるがまだ気が付かない、もっと近くまでいく。
真紀さんは目を遠くに投げる、誰かを探しているらしい。
私じゃないの?ついに「真紀さん!」と目の前に出現して声を掛けると、汗を拭きながら「えっ?」 「私、伊藤です!!」と100万ドルの微笑みで叫ぶと。
キリマンジャロからの叫びにも似た反響音が返ってきた。
「え~~~!!い~と~うさ~~~ん?」
なぜ驚くのか、検討が付かないが、まるで招集礼状を手にしこれからお国のために戦いますと宣言しているかのように「真紀さんとジャクソンに会いたくて参りました。」と答えた。
真紀さんたらまたしても「うっそ~!!!」と私に面と向かってでかい声で疑いをかける眼差しは鋭く私に突き刺す。
不思議な空間が2人の間にはしばらく流れた。
わたしの姿がケニアを訪問するような雰囲気ではなかったようで、こんな人がなぜマサイ村でキャンプが出来るのと思ったに違いないと直感で伝わったのは明らか。
とても似合わない風貌で私は其処に存在しているのが外部の視線でも分かったぐらいだ。
何しろチョン髷姿の侍までも通り越した姿でしたから、ケニア人の目には何が舞い降りてきたのかと不思議に見えたに違いない。
ケニヤの女性は髪が命そしてマサイ族の戦士も髪が命そして私も髪が命、各自表現こそは違うが、行き着くところは命がけの自己表現である。
髪型は個性を生み出す重要ポイントである。
ケニアの女性はヘアスタイルを作り上げるのに半端でない時間を消費する。付け毛やかつらで最高のお洒落をすることを何よりも大切に思っているというのだ。
細かくコヨリのように編んだ三つ網には迫力があり、一度チャレンジしてみたい。髪型コンテストもあるぐらいだから機会があったら私も参加してみたいと思った。
これほど、大胆に髪型を楽しんでいる国民は他に絶対ありえない、もしあるとしたらこれ以上どんな方法があるのだろう。
わたしの髪型も彼女達に負けずと劣らずの最高傑作だ。
ファッションには妥協はない。
私がどんな国を歩いても目を奪ってしまうのは自慢ではない。
目立つのは大好きでこれは真紀さんと同様かもしれない。
私のストレスを解消してくれる。
みんなの視線を奪わないと更に次のステップに発展していく。
なぜ目立たなかったのかが反省課題として次に生かされるのだ。私と同行する人はきっと飽きる事はないのは太鼓判付。
そんなわけで、ファッションの塊が真紀さんの前に現れたのだから動揺を隠せないのは良く分る。
そんなはっきりと全身で表現する真紀さんとのスタディーツアーへの期待が高まった。
落ち着きを取り戻した真紀さんと今日からお世話になる学生寮に向かう。
10日間の「真紀さん独り占めツアー」が驚きの叫びから一歩踏み出した。
・・・②へ続く
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